国際福祉機器展2025を振り返って

久しぶりの投稿になりますが、先日、国際福祉機器展2025に参加してきました!

実はちょうどプライベートで大変なことが重なってしまい、一時は行けなくなるかと思いましたが、予定通り行けてよかったです。

地元で開催される福祉用具の展示会には行ったことはあったのですが…

場所は東京ビックサイト、

海外のメーカーも参加しており、その規模の大きさと人の多さに驚きました!!!

展示会では介護(医療)分野の最新動向を肌で感じることができました。

ここでは、私が印象に残ったポイントや気づきの一部をお伝えしたいと思います。

モニタリング系の機器と課題

●まず目立ったのは、モニタリング機器の充実ぶりです。

現在、国をあげて介護テクノロジーの普及に力を入れていることもあり、新しい製品がどんどん開発されているようです。

ベッド上で生体モニタリングするものも多くありましたが、排泄に関する機器が増えてきている印象です。

それだけ、排泄介助における利用者や現場負担を減らすことには意義があるのでしょう。

数年前から普及されつつある排泄のタイミングを事前に予測する機器をはじめ、排泄後に検知するセンサーやマットタイプまで色々なアプローチの製品がありました。

こうしたテクノロジーの中には介護保険で利用できるものとそうでないものがあり、保険外であっても自治体の補助金を活用して導入している施設も少なくないとのことです。

ただし、施設全体で導入しようとすると大きなコストがかかるため、個人利用で関わるハードルはまだ高いと感じました。

●最近の製品では、「人手不足を補う」「クラウドで管理できる」といった機能はもはや当たり前です。

しかし一方で、医療介護の求人見ていると、未だに時々「パソコン基本操作できる方」「電子カルテ使用」などと記載されているものも見ます。

今後、本当に普及していくためには、補助金だけでなく、現場がテクノロジーを最大限活用できるサポートも必要だと感じます。

また、テクノロジーに慣れていない世代の方は、「機械だと冷たい感じがする」「怠けている」という印象を持つ方もいらっしゃると思うので、利用者や家族の意識も変えていかなくてはいけないのではないでしょうか。

個人や小規模メーカーのアイデア製品

大手メーカーの大型機器ももちろん多く出展されていましたが、私が特に興味を惹かれたのは、小さなメーカーや個人開発者による製品です。

たとえば、「傘杖」「在宅で使える入浴装置」「車椅子用カッパ」「介護用マニュキュア」など、現場の声から生まれたような製品が多くあり、大手メーカーのブースと変わらない位、多くの来場者の関心を引いていました。

意外だったのは、こういった製品でもしっかりと特許を取得しているものも多く、個人で着想を技術として形にしている点はとてもすばらしいと思いました。

ロボットの進化

移乗介助の分野では、リフト移乗ロボットなどバリエーション豊富な製品が揃っていましたが、こういった機器はまだ十分に普及していないのでは?と感じます。

海外に目を向けると、「ノーリフティング」という言葉があり、看護・介護・福祉の現場から職業病としての腰痛を予防する取り組みが行わています。

欧州では1980年代からリフトを使って看護や介護することが当たり前となっており、また、オーストラリアでも国が腰痛予防策を義務化し、人力のみの移乗を禁止して福祉用具を活用しようと、看護や介護、福祉現場での常識が変わってきています。

こういった動きと比較して、日本では普及率が低い気がします。

(私が比較的アナログの職場しか経験していないのもありそうですが…)

そのため、多くの製品があるもののまだ成長の余地がある分野だと感じます。

また、今回初めて目にした、

食事介助ロボット

視覚障害者の方のための音響と振動の変化により目の前の状況を感覚的に伝えるデバイス

には驚かされました。

機器の体験もあったので並んだのですが、人が多すぎて待たされすぎて断念してしまったのが悔やまれます…。

本当に、多機能な介護ロボットが登場する日も遠くないと感じました。

おわりに

今回の展示会を通じて改めて感じたのは、すでにある技術であっても、それに何かをプラスできるかが問われているということです。

また、個別の状況に合わせてその価値を伝えられないと、素晴らしい技術でも活用されず終わってしまうとも感じました。

どんないい機能であっても、現場によって合う合わないがあります。

そのため、「こんなことができます」だけではなく、「これを使った先にどんな価値が生まれて、現場がどう変わるのか」という視点で、それぞれの状況を把握し提案できることこそ、本当に重要なポイントだと思います。

そして、国内外製品問わず、その価値を現場の言葉に翻訳して伝えたり導入後の運用を支えたりという役割は、私のような現場の人間だからこそ果たせる部分も大きいと感じます。

私自身、これまでブログで紹介してきた「床ずれナース」「ワンズケアのトイレ処理袋」「エレキソルト」などの製品も展示されており、さらに2026年以降に登場予定の新製品に触れられたことも大きな収穫でした。

技術の進化に「こんなことまでできるようになるのか」と、とてもワクワクさせられ、

テクノロジーと人の力がうまく結びつくことで、ケアの質はさらに高まっていく可能性を感じさせる展示会でした。

仕事関連では反省点もあるため、また自分の活動につなげていきたいと思います。

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