介護はテクノロジーと外国人人材の時代

みなさんは介護職にどのようなイメージを持っていますか?

いわゆる3K、「きつい」「汚い」「危険」しかも給料が安い。そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。

そんな介護の仕事も、テクノロジーと外国人の人材に頼りながら変化しつつあります。

この記事では、そんな介護の仕事の現状や介護用品の展示会を通じて介護の未来について思ったことをお話していきます。

介護現場の現状

介護現場は人手不足ではありますが、コロナ禍で職を失った人が介護職に流れてきた時期がありました。

それは、コロナ禍でも需要があり、未経験でも挑戦しやすい仕事だからだと思います。

しかし、介護は続けていくのが大変な仕事です。

そのためすぐに介護職から離れてしまう人が多いのが現状です。

また、どこでも人不足で転職が簡単なので、より条件のよい職場を求めて辞めてしまうケースが多い印象です。

介護業界の人材不足については、現場で働いている人以外はさほど感心がない事かもしれません。

コロナ禍で医療ひっ迫時の「医者にかかれないかも!」という危機感と違い、元気な若者にとって介護が必要な未来はピンとこなくて当然です。

しかし、老いた先の話だけではなく、事故や病気によって、自分や身近な人に介護が必要な日は突然やってくることもあります。

近い将来、今の高齢者のような負担金で医療介護サービスを受けることは難しくなります。

そしてこのままでは、相当お金がないと、世話をしてくれる人も場所も確保できなくなる時代がやってくるでしょう。

国は、介護現場の人材不足や急速な高齢化の問題を解決するため、取り組みを行っています。

その一つが「介護テクノロジー利用の重点分野」の策定です。

これは、介護現場の質を向上させ、スタッフの負担を軽減し、高齢者の自立を支援することを目的としています。その中身は以下の9分野16項目です。

  • 移乗支援装着型・非装着型
  • 移動支援
  • 排泄支援排泄予測・検知
  • 見守り・コミュニケーション施設向け・在宅向け
  • 入浴支援
  • 介護業務支援
  • 機能訓練支援
  • 食事・栄養管理支援
  • 認知症ケア支援

「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症ケア支援」の3分野は今年6月に新たに加えられ、来年4月より運用が開始されます。

この取り組みは、国が介護の問題を解決するためにテクノロジーの力を活用する方向に進んでいることを表しています。

具体的には介護現場のテクノロジー開発や導入に補助金を出すなどの支援をしています。

少し前まではアニメの中だけの話だったような、ロボットに介護される時代が現実に近づいているとも言えます。

介護用品の展示会にて

先日仕事で、介護用品の商談展示会に行く機会がありました。

展示会には、職場での新しい配食サービスを探すために参加しましたが、もう一つの目的は、介護分野で使われる最新技術についての情報収集です。

企業間の商談目的の展示会ということもあり、人手を補うための業務効率化の設備外国人人材を仲介する企業が多いという印象でした。

「人手不足の解消」が、まさに介護業界の課題なのだ感じました。

最新の見守りシステム

展示会で特に印象的だったのは、見守りシステムです。

見守りシステムというと、ベビーモニターのような機器をイメージしていましたが、例えば、以下のようなものでした。

  • モニタリング機能付きマットレス
    寝ているだけで利用者の動きや呼吸などの生体情報を感知できる機能が組み込まれています。
  • 電磁波で感知する見守りシステム
    生体情報だけでなく、水分の湿り具合を感知することができるため、排泄状況や嘔吐の有無が接触や目視なしにわかるようになっています。

これを高齢者施設で活用できれば、各部屋を見に行く回数を減らすことができて、人材コストを抑えることができます。

こういったテクノロジーの活用によって3Kが解消されれば、離職を減らすことに繋がりそうですよね。

しかも、そういった部分にコストをかけてくれている会社には将来性を感じ、働く人も集まりやすいのではないかと思います。

小さなアナログな会社で働いている私は、このような見守りシステムをすでに導入している施設があることに驚きを隠せませんでした (゚Д゚)

外国人人材の採用

出展企業には外国人人材の仲介の会社も多くありました。

介護現場では外国人スタッフの採用が進んでいますが、外国人介護士の受け入れは実は10年以上前から行われています。

2008年にフィリピンとの経済連携協定(EPA)締結をきっかけに始まり、その後インドネシアやベトナムへと対象国が広がりました。

2019年には特定技能制度が導入され、スキルを持つ外国人がさらに多く受け入れられるようになってきています。

展示会で話を聞いた企業の方は、

「外国人介護士が入ってきた当初、外国人なんて…と渋っていた施設は、今焦って体制を整えている。テクノロジーも同じで、ちゃんと考えている経営者は導入し始めている。」

と話していました。

前の職場の看護助手さんはフィリピンの方が多く、言葉や考え方の違いに困ることはありましたが、真面目でいい人も多かったです。

また、翻訳したマニュアルや介護資格取得支援、外国人同士で交流する機会を設けるなど、システムを整える取り組みを進めていた記憶があります。

一方、現在訪問している施設は、外国人と働くことは難しい決めつけており、外国人介護士の応募を断っています。

そのためもあり、人材確保に苦労しています。

すぐ辞めてしまうのはましな方で、日本人でも、面接に来ない、突然出勤しなくなる、退職代行で急に辞める、など結構よくあります。

外国人だから、という考え自体が時代遅れだと感じますね。

このように外国人人材やテクノロジーを積極的に取り入れてシステム作りをしている企業と、そうでない企業との間には大きな差が生まれてくるのは間違いありません。

介護の未来に思ったこと

今回の展示会を通じて、介護業界の未来について色々気づきがありました。

そこで思ったのは、介護でもどの業界でも、「先を読み行動すること」が重要だということです。

(ちなみに、このようなことは私が勉強している講座のビデオセミナーの中でも管理人さんが何度も話されています!)

急速にテクノロジーが発達していても、現状は人と人との触れ合いが介護において大切とされており、それが介護の仕事のやりがいの部分でもあります。

しかし将来的にロボット介護が当たり前になる時代が来るかもしれない中で、どうバランスを取るかを考える必要があるのではないか思います。

今回は会場内の写真撮影が禁止だったのが残念でしたが、ブログにあげる許可をいただけた製品もあるので、また調査して情報発信していきます。

参照

厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/juutenbunya_r6kaitei_00001.html?utm_source=chatgpt.com

外国人介護人材の受入れについて
タイトルとURLをコピーしました