ケア用品・福祉用具

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ベッド上での入浴をかなえる装置

今年はいつまでも暑かったですが、肌寒さを感じる季節になってきましたね。 寒くなってくると、シャワーだけではなく、ゆっくりお湯につかりたくなる方も多いのではないでしょうか。 医療や介護の現場では、治療や食事・排泄などの命を支えるケアが優先されることが多いため、入浴、特にお湯につかるということは優先度低く扱われがちです。 そして、介護が必要な方の場合には、外部サービスなど何かしらのサポートが必要となるため、毎日入浴したいと思っていても難しいのが現状です。 そのような中で、自宅のベッド上でお湯につかることを可能にする福祉用具があることをご存じでしょうか? 今回ご紹介する『介護用半身入浴装置』は、ベッド上での入浴を可能にするために開発され、「もっとお風呂に入りたい」「入れてあげたい」という、ご本人とご家族の願いをかなえることを目指した製品です。 この記事では、入浴の効果、在宅での入浴の現状や問題、『介護用半身入浴装置』について実際の特許の内容をもとにその特徴をお伝えしていきます。
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体位交換に便利『床ずれナース・体位変換補助パッド』

介護や看護の現場で欠かせない作業のひとつに「体位交換」があります。 体位交換とは、自力で寝返りができない方の褥瘡(床ずれ)を防ぐために、定期的に体勢を変えるケアです。 文献では「体位変換」と書かれていることが多いのですが、現場では「体位交換」という言葉の方が馴染みがあり、実際には略して「体交(たいこう)」と呼ばれています。 一見すると体の向きを変えるだけの簡単なケアのように思われますが、実際には奥が深いケアだと最近感じています。 前回の記事では、体位交換の方法の一つである30度側臥位のリスクと、褥瘡やポジショニング、クッションについてお話しました。→30度側臥位のリスクと『バナナフィット・スモールフロータイプ』
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30度側臥位のリスクと『バナナフィット・スモールフロータイプ』

医療・介護現場では、自力で動けない方の褥瘡(床ずれ)予防のため、「ポジショニング」がとても重要です。 ポジショニングとは、利用者さんや患者さんの体を適切な姿勢に保ち、圧迫やずれを減らして快適さを保つケアのことです 中でも現場でよく行われるのが「30度側臥位」という姿勢ですが、実はこの体位、正しく理解して使えている人は意外と少ないのです。 実は私自身も、なんとなくの知識でやっていたことがありました。 しかし、30度側臥位には知られていないリスクが存在します。 この記事では、30度側臥位の意義や問題点、褥瘡について、体位交換に有効と思われる『バナナフィット スモールフロータイプ』というクッションについて、特許の内容ももとに解説していきます。
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交互嚥下や水分補給にも最適『アイソトニックゼリー』

肺炎は日本人の代表的な死因の一つです。 肺炎というと、新型コロナウイルス感染症にかかって肺炎になるようなイメージもあるかと思います。 誤嚥性肺炎はそれとは異なり、食べ物や飲み物、唾液などが誤って気道に入り、炎症を起こすことで発症します。 厚生労働省の統計によると、令和4年には年間で60,000人以上が誤嚥性肺炎で亡くなっており、新型コロナウイルスによる年間死亡数を上回っています。 高齢化が進む日本では、今後この数字のさらなる増加が予測されています。 こういった背景もあり、介護医療現場では口腔の機能が着目され、高齢者看護では誤嚥予防は必ず考えなくてはいけない問題です。 これまでの記事でも誤嚥予防に関係する製品について解説してきました。
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ポータブルトイレの手間を軽減『ワンズケアトイレ処理袋』

病院での療養や高齢者の介護において、避けて通れないのが「排泄の支援」です。 この仕事をしていると日常の一部になっていきますが、一般の方にとっては“下の世話”は、される側にもする側にも、心理的ハードルの高いケアです。 その中で「ポータブルトイレ」は、病院や施設、在宅介護でも多く使われている選択肢のひとつです。 今回は、シルバー産業新聞で紹介されていたポータブルトイレの処理に役立つグッズ、総合サービスの『排泄処理袋 ワンズケア』という製品に着目したいと思います。 この記事では、ポータブルトイレを取り巻く現場の実情や、製品に関連する特許技術、こうした製品の需要について考えたことをお伝えします。
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『口腔ケアジェル』カテキンの効果と味の楽しみ

訪問看護の現場で日々ケアに携わる中、口腔ケアの大切さを実感する場面が増えています。 近年、介護・看護の現場では、口腔衛生を保つことの大切さが改めて見直されています。 2024年の介護報酬改定では「口腔連携強化加算」という項目が新設され、歯科と看護・介護とが連携して質の高いケアを提供することで、高齢者の生活の質を高めていこう動きがあります。 これまでの記事でも、「いつまでも食べたい」という思いを叶えるための、嚥下サポートのとろみ剤やKスプーンを紹介してきました。
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むくみに効く弾性ストッキングとその仕組み

みなさんはむくみに悩んだことはありませんか? 看護や介護の現場でも、むくみ(浮腫)はとても身近で重要なテーマです。 今回は少し前に参加した研修で学んだ、浮腫のケアについて書きたいと思います。 リンパ浮腫セラピストの養成講座への勧誘も兼ねた雰囲気ではありましたが、リンパドレナージの基本や弾性包帯の巻き方など、実践が多く有意義な研修でした。 この記事では、浮腫について、体内の循環や浮腫改善のメカニズムなどにも着目して解説していきます。 なお、本記事は筆者個人の見解・調査に基づいた内容です。 内容の正確性を保証するものではなく、紹介する製品の購入・使用は必ずご自身の判断と責任で行ってください。 また、記事中の製品リンクにはアフィリエイトを含む場合があります(PR)。
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誤嚥リスク軽減のためのとろみ剤

とろみ剤とは、飲み込みの機能が低下してしまった人が安全に食べるために水分のとろみ付けに使われます。とろみ剤はドラッグストアなどでも簡単に手に入り、粉末や液体のものなど各メーカー様々な種類があります。病院で働いていた頃は院内で統一した粉末のも...
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口腔ケアに効果的な電解水『エピオスウォーター』

寝たきりの高齢者や食事ができない方にとっても、口腔内の清潔を維持することはとても重要です。口腔ケアに関する商品は、歯磨き粉や保湿ジェル、洗口液など、たくさんの種類があります。その中で、利用者さんの家族から勧められ私自身も使用している、口腔洗...
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嚥下障害に『Kスプーン』

人にとって食べることは、単に口から栄養を摂ること以上の意味があります。 食べることだけが楽しみという人もいるし、仲良しが集まれば何か食べたり飲んだりしながら楽しい時間を共有することが自然な流れですよね。 しかし、病気や加齢により飲み込みが難しくなると、その楽しみが奪われてしまうことがあります。 自分や家族がそういった状況になったとしたら、「できれば口から食べたい。」「食べさせてあげたい。」と思う方がほとんどではないでしょうか。 そんな時、適切なサポートが必要になります。 嚥下障害の方はその状態によって飲み込みやすい食べ物を選ぶ必要がありますが、使用するスプーン選びも大切になります。 今回は嚥下障害にスポットを当てた『Kスプーン』という介護用スプーンについて、その特許明細書の内容も基にして紹介していきます。